豆を畑に植え、交渉、換金!
アグリコラシリーズなどで有名なウヴェ・ローゼンベルグ作の交渉ゲーム。
手札を入れ替えてはいけない、という斬新なルールでこういったゲームを初めて遊ぶ人は面喰らうんではないだろうか。
手札から先頭のカードを自分の前に出す事によって畑に植えた事になります。
畑には1種類の豆しか植えられません。
畑は2つあるので2種類まで豆カードを植える事が出来ます。稼いだお金を払って畑を増やす事も出来ます。
植えた豆は枚数が多いほど換金率が高いのでなるべく揃えてから売却したいけど、重要なのが手札のどこからでも出せる訳ではなく、並んでる順番にしか出せないって所。
不要な豆カードを引き取ってもらう為に交渉が起こるわけですが、
大体の交渉ゲームは自分が得して相手に損をさせるヤラシい思考回路になりがち、しかしこのゲームの交渉はほのぼのしてて、自分が要らない豆カードを相手に見返りなくあげたりします。だって要らないんだもん。
面白いのが「未来の約束をして良い、またそれを守らなくても良い」とルールブックに書いてあって。
つまり、今自分が持ってる要らない豆を引き取ってくれたら君が困った時に決して悪いようにはしないよ!とかなんとか。
まあ、利害が一致しないとなかなか引き取ってはくれませんが。
交渉であーだこーだと喋ったり、それでいて攻撃的な要素はあまりなく、
小箱のカードゲームながらボードゲームをやったような充実感を味わえる、なんとも不思議な魅力を持った作品だと思います。豆!
(やまだ)
ズーロレットシリーズや王と枢機卿などで有名なミヒャエルシャハト作。
手番では山札から1枚めくって3箇所どこかの列に配置するか、既に置かれてる列のカードを引き取るか、のみ。
色は7色あって(人数によって減らします)、3色まではプラス点、4色目以降はマイナス点になります。
他にはどの色にもなるジョーカーカードと単純に+2点になるカードがあり、それらを集めて終了した時点で得点の高い人の勝ち!
同色を集めるほど点数がガンガン伸びていくので狙ってる3色を増やしたいですが、それぞれ取ったカードは公開されているので欲しい色のある列には大体要らない色を置かれて邪魔されます。
列には3枚まで置けますが、欲しい色1枚だけの時に取るチキンプレイでは点数はなかなか伸びていかないような気もする、、かといって3枚出揃うまで待ってると要らない色が、、という風に悩み所が分かりやすい。
多く集め過ぎると点数が減るバリアントや、2人プレイ用の列カードも付いていてなかなか配慮がきいている。
非常に軽いプレイ感の中にもちゃんとジレンマを感じられる良作、と巷では言われていますが、個人的にはちょっと軽すぎる気がする。テーマ性が皆無でドライな感じ。
あと+2点のカードはこんなに要らないんじゃないか。
システム的には素晴らしいし決して面白くないわけではないけど、あまり自分にはピンと来ないというか、そんなゲーム。
やる事はほとんど同じだけど、動物園というテーマがあり、子供が産まれたりするズーロレットミニの方が好みです。
(やまだ)
ドブルは、それぞれに50種類以上のマークの内から8つが描かれた55枚のカードで遊ぶゲームです。全てのカードは他のカードとたった1つだけ共通するマークが描かれており、それを探すことがゲームの目的です。
このゲームでは、先に2枚のカードの間に共通するマークを見つけて宣言し、そのカードを遊んでいるミニゲームのルールで決められた通りに獲得したり、捨てたり、別の場所に置いたりします。
(python)
元はフランスで発売され、とっても売れてる反射神経系ゲームの鉄板。
55枚の丸いカードに色んな生きものや物の絵が8つ描かれています。
どのカードを見比べた時にも、他のカードとひとつだけ一致する絵があります(一致する絵はカードによって違います)。
山札と自分のカードを見比べて誰よりも速く同じ絵を見つけて宣言したら山札のカードをもらえます。
新しいカードとまた見比べて宣言、カードをもらうを繰り返して
山札がなくなったら1番多くカードを集めた人の勝ち。
同じ絵柄を見つけたりして連続でポンポン取れたかと思えば、じいっと見比べても全然分からない時もあります。
速いもの勝ちなんで焦るんですよね。
基本自分と山札のカードしか見てないのでズルしても多分バレないけど、そんな事しても楽しくないのでやめような!
5つのゲームが出来ますが、基本どれも合ってるものを探すで処理の仕方が違うくらい。
安くてルールが簡単ですぐ終わり、対応人数も広く年齢を選ばないという軽いパーティーゲームのお手本のような作品ですね。
アナ雪バージョンやキッズドブルなども出てるのでお好みで。
あんまり沢山やるゲームでもないんで、たまにやるぐらいが丁度良いね。
「シマウマ!シマウマ!!」
(やまだ)
泥んこが大好きなコブタゲームです。
各プレーヤーは、自分の前にコブタカード3枚をきれいな面を上にして並べます。そのほかに手札を3枚受け取ります。残ったカードは山札にし、手番には1枚プレイして1枚補充します。
泥んこカードは、自分のブタ1匹を泥だらけにできます。雨カードは、すべてのプレーヤーのブタをきれいにしてしまいます。ただし、コブタカードの上に小屋カードを置いている場合はこのブタをきれいにすることはできません。しかし、小屋はカミナリカードをプレイされると燃えて捨て札になります。それを防ぐためには小屋カードの上に避雷針カードをプレイする必要がります。
入浴カードをプレイすると、他のプレーヤーのコブタ1匹をきれいにできます。これは小屋に入っているブタもできます。ただし、小屋を締め切るカードを小屋にプレイしている場合は、このブタをきれいにできません。つまり、避雷針が付いた小屋を閉じれば完璧です。
とにかく、自分の前のコブタを3匹泥んこにできたらその瞬間に勝ちになります。
手軽でかわいいゲームです。
(python)
ブタくんはキレイなのがきらいなので、すぐ汚れたがるんだ。
自分の前にブタカードを数枚配置します(人数によって違う)。
最初ブタカードはキレイな面が表になってます。裏向けにすると、そこには泥まみれで恍惚の表情を浮かべるブタが。
全部のブタを1番最初に泥んこに出来た人が勝ち。
手札は各自3枚持ってて、1枚出したら手番は終わり次の人へ。とっても簡単。
どうやって汚すかというと、手札の中から「汚んこカード」を出せば1匹のキレイなブタを裏面の泥んこブタに出来るわけです。
勿論そんなにやすやすと3匹泥まみれには出来ません、
「洗うカード」は誰かのブタ1匹を洗ってキレイにしてしまいます。
「雨カード」は全員の泥んこブタをキレイにします。
それに対抗する手段もあって、
「小屋カード」は汚れたブタを雨から守ってくれます。
しかし「落雷カード」を使われると小屋が吹っ飛びます。
そこで「避雷針カード」を小屋に設置すると雨も雷も怖くない!
でもでも扉が開いてるのでまだ「洗うカード」でキレイにされてしまう、
ならば最後に「扉カード」を使うともう安心、誰もこの小屋のブタをキレイには出来ないのだ!!
そうやって守りを固めている内に、ノーガードだったお向かいさん家のブタが全部泥んこになってるじゃん……とかよくある。
攻撃されてもめげずにブタを汚して防御して、お互いに足を引っ張り合いながら
勝利を目指す、短い時間で全世代がワイワイ楽しめる軽いカードゲームですね。絵も可愛いし子供とか喜びそうだ。
拡張も出てます、その名も『美しいブタ』。こういう発想はなかなか出てこないですね、ブタを早く汚したら勝ちって。
(やまだ)
「ウソつきの、ウソつきによる、ウソつきのためのゲーム」というコピーそのままのブラフゲーム。
各自12のライフを最初に持ち、最後まで残った人が勝ちの敗者脱落式。
スタートプレイヤーは山札3枚を引いて数字を宣言し、時計回り順に次の人に渡す(数字は正解を言わなくてもよい!)。
渡された人は1~3枚交換して新たな数字を宣言してまた次の人へ回すか、数字が嘘だと思ったらダウトを宣言。数字が合っていればダウトした人が、数字が間違っていればダウトされた人がカードに書かれたドクロ分だけ失点。
ルールとして、
・3枚の数字の並びは必ず1番大きく言わなければならない(例えば1、6、7の場合は761)
・前に宣言された数よりも必ず大きい数を言わなければならない。
これにより数字は上がっていくしかないわけで、交換したカードがそれまでの数字を下回ってしまう事なんてザラにあります。そこで何食わぬ顔で嘘の数字を言うわけです。
受け取った際に数字が合ってないと内心焦ってしまいますが、そこはポーカーフェイスで。
上手く切り抜けた時の安堵感たるや!
面白いゲームだけど、ほんわかのびのび遊ぶ感じにはならないので苦手な人は多いんじゃないかな。
初めてやる人は大概「560」とか大きさを間違えて宣言してしまって、自滅していきます。ルールを聞いてすんなり理解出来る人は嘘をつくのも得意な気がする。
負けたら脱落していく方式は暇な人が出るので、誰かが脱落したらそこで終了でいいと思う。
(やまだ)
コインを使って家を買い、その家を売って小切手を得るオークションゲーム。
人数によって決まったコインを最初に受け取り、不動産カードが人数分並べられる。カードの強さは1~30まであってランダムで出てきたそれを競っていく。
前の人より高い値段を付けるかパスするか、
降りた人から弱いカードをもらっていき一番高値を付けた人は全額、その他の人は自分が付けた値段の半額を支払いそれぞれの強さのカードをもらう。
これを不動産カードがなくなるまで繰り返したら最初の競りラウンドが終了。
次は落札した不動産を小切手に変えます。
0~15まである小切手カードをランダムで人数分並べ、前のラウンドで取った不動産カードの中から1枚せーので出して高い数字を出した順に高い小切手を取っていきます。
これも小切手カードがなくなるまで続けて、前のラウンドで残ったコインと小切手カードの合計で1番稼いだ人の勝ち!
不動産を買って、それをお金に変えるという2段階構えになっています。
他の人が幾ら持ってるかぼんやり分かるので、何処で勝負を仕掛けるかの読み合い、バッティングゲームの王道「ハゲタカのえじき」のような悩ましさがありますね。
ただ、ハゲタカはスパッと決まる直感的な面白さを持ってますが、こちらは回りくどい感じがしないでもない。
爆発力はないですが、まあ大きく外す事もない優等生的な面白さといった所でしょうか。
(やまだ)
トリックテイキングというジャンルのカードゲーム。昔のゲームを異端児フリーゼが現代にアレンジしたやつ。
スート(トランプでいうダイヤやクローバーなどのマーク)はありません、1種類のみ。
1~15までの数字が数枚ずつあり、ランダムに7枚配られます。
スタートプレイヤーから1枚ずつカードを出していきますが、例えば4のカードを出したら次の人は4以上のカードを出さなければいけません。一巡する間にどんどん数字が上がっていき最も強いカードを出した人が次のスタートプレイヤーに。一巡する間の自分の番でこれ以上強いのを出せない、もしくは出したくないと思ったら手札の1番低い数字を出さなければいけません。
これによって他の人はその人の手札にその数未満のカードはないと分かるわけです。
6回戦までは勝っても負けてもいいんです、最後の7回戦目にせーので出して1番高い数字を残していた人に書かれているキュウリ分の失点が渡されます。
つまり、最後の7枚目になるだけ低い数字を残す為に6回戦で手札を調節するゲームですね。
文字だと分かり辛いかもしれませんが、1度やってみるとルールは把握出来ると思います。
手番にやる事はカードを1枚出すだけ、1ラウンドが短いのでサクサク進み、トリックテイキングの入門に向いてるんではないでしょうか。
6本以上キュウリを受け取ると脱落、というように本来は負け抜けのゲームで1人の勝者が決まるまで続けますが、どうも好きになれないので誰かが脱落した時点で終わったり脱落するキュウリの数を変更したりしてます。
(やまだ)
「なんか、自分のこと分からなくなっちゃった」
ぼんやり見える花火を眺めながら彼女が呟く。
「だって坂井くんのことが好き、だったんだよ」
距離が遠いせいか、音が遅れて聞こえてくる。
「憧れっていうか、手が届くわけないって思ってた」
どどん。間抜けな音が闇に広がり、次の光。
「だからほんと、嬉しかった。春きたー、て感じ」
今から向かう人、飽きて帰る人、屋上のバーベキュー。
「最初に変だな、て思ったのは、この前のお正月かな」
明らかに明るいヘッドランプの群れ。
「あけおめー、て言ったら、おーう、て」
どどん。スマイルは歪な楕円を描く。
「変なんだけど、なんだろ、ちょっと変だな、て」
雲なのか、煙なのか、匂いはしないし届かない。
「その後はさ、肥後くんに相談したとおり」
コバエのようなヘリコプターが、4匹。
「不思議だよね、全部言うとおりなんだもん」
どどん。今見ている光の音はどれだろう。
「自分てそんなんなんだって、初めて気がついた」
きれいだと思う。
「ありがとう。変だよね、こんな感じなのに」
向こう側にも自分達のような人間がいるんだろうか。
「今はね、幸せだよ。前よりも多分ずっと」
どどん。
「だから、なんか、ごめん」
どどん。
(Dynamo)
ゲームの中にはトリックテイキングというジャンルのものがあります。
トランプだけでも沢山種類がありゲーム毎にルールは異なりますが、
ざっくり要約すると
順番に手札から1枚ずつ出し、(この流れをトリックといいます)
全員出したら誰がトリックを取るか(テイク)を判定する、これを繰り返すのがそう、トリックテイキング!
基本的にはカードを出して、それを誰が取るかだけなのに濃密な駆け引きが生まれます。
好きな人にはマストフォローとか切り札ありとかスートなしとかで大体どんなトリテかわかるようになってます。
さて、スカルキングの話です。
元々ウィザードという定番のゲームがあるんですが、それにちょっとだけスパイスを振りかけたような優等生的トリテ。そりゃあ外さないだろう、という。
ウィザードもそうですが一番面白いのが自分が何回勝てるのかを予想する所で、1回も勝ちません!とかも言えるわけです。
10ラウンドあって、1ラウンドは手札1枚、2ラウンドは手札2枚…というように増えていきます。
1ラウンドは勝負が1回だけなので勝つか負けるかだけですが、後のラウンドにいくほど予想も難しくなっていきます。
勝てると思った所で負けたり、捨てにいった所が取れてしまったりと予想通りに調整するのは難しいです。
特殊なカード達の使い所も間違えると大惨事になるので悩ましい。
初めての方へのトリックテイキング入門にも良いんではないでしょうか。
ヨーホーホー!
(やまだ)
ドブルと並ぶ反射神経系の鉄板ゲーム。
ゴキブリポーカーでも有名なジャック・ゼメの作品。
白いおばけ、
赤いイス、
青い本、
緑のビン、
灰色のネズミ
という、なんとも可愛らしい木製のコマが5個。
カードを1枚めくって色と形が合ってたら正しいコマ(例えば「白」の「おばけ」)を、そうでないなら色も形も書かれていないコマを素早く取った人がそのカードを取れます。
どんどん繰り返して最終的に1番カードを多く取った人の勝ち。
頭の中でおばけキャッチ回路が出来上がるのか、回数を重ねた人は信じられないくらい速いです、一瞬で取っていきます。
追加ルールを適用したり「おばけキャッチ2」と混ぜたりするとより複雑な遊び方が出来ます(1、2それぞれ単体でも遊べます)。
「おばけキャッチ名人技」という、より難しい作品も出てます。恐ろしや。
頭がこんがらがる感じを是非味わってみて欲しいですね。慣れてくると格段に速くなります。
コマがとても可愛いし、反射神経系では個人的にはドブルよりもこちらが好み。
(やまだ)
これでもかと要素を盛り込んだ重めのゲーム。
深海の調査基地でロボットに指示を与えて、クリスタルを集めたり基地を拡張したり侵入したタコを退治したりするゲームです。
やる事はシンプルだけど、要素が多すぎてルール説明に時間が掛かる。インスト込みで2時間くらい。
手番に出来る事はロボットにプログラムするか、既にプログラムされているロボットのアクションを実行するか。
プログラムは7種類あって
・クリスタルを取る
・タコを退治する
・潜水艦を出す
・時間マーカーを取る
・基地の拡張
・調査カードを取る
・上記を決まった場所で行える
というもの。まずやりたい事をロボットにインプットして、次のターン以降に予約した行動を実行出来るという二段構え。
他の人が何を狙ってるかも分かるので、先に動いたり違う所を狙ったり(そんな余裕があれば)
処理の仕方や中間決算、最終決算の得点方法などまあよくこんだけ詰め込んだなという印象。それでちゃんとまとまってるから凄い。
必然的にコンポーネントも沢山で準備も大変。
やりたい事は多いんだけど、全然出来ない辛さというか。どんどん先細りする選択肢からどう得点を伸ばしていくかを考えるゲームですね。
1度遊ぶと次回からはもっと上手くやれそうな気になります。
他の作品は遊んだことないけど、フェルドの作るゲームは大体どれも要素てんこ盛りらしい。
面白いんだけど気合いを入れないと出来ないというか。時も人も選ぶゲームで、稼働率は低いです。面白いんだけど。
その分終わった時はボードゲームやったな!という充実感に包まれます。
(やまだ)
あの男達が帰ってきた!?
前作・前々作と圧倒的なスピード感と個性的なキャスト陣によって各種グランプリを総ナメにしてきた作品。今夏ついに待望の続編が公開!
前作のスピード感はそのままに、今だからこそ出来る最新技術を惜しみなく投入。グラフィック・アドバイザーとしてウクライナの気鋭、パブロフ・ボブルフィッチを起用する辺り、これまで以上の意気込みを感じさせる。
前作に引き続き、主人公ドワーフ役にはマルオ・サンドーニ、相棒ワルサー役にはウィンダム・チャーチル、そして恒例の敵役には「からげんきさん」でお馴染み、アメリオ・リベラが参戦。彼らの「対決」を是非お楽しみあれ。
関係者向け試写会での評価は、なんと97点をマーク。シリーズ三作目が持つジンクスもあり、実は試写会前の下馬評ではせいぜい70点程度と揶揄されていたのだが、見事に予想を大きく覆してくれた。やったねエリック。
そうそう、監督総指揮は勿論変わらずエリック・マグワイア名義。今春公開された「ハンドリング・パラダイス」から数えると約半年を待たずしてこの作品である。実は二人いるんじゃないかという噂も囁かれるほどだが・・・まあ、面白ければいいじゃない!
「お邪魔者3 対決」、期待して良いと思う。
(Dynamo)
夏の思い出をノスタルジックに追い求めるゲームである。海、スイカ、金魚、ラムネ・・・たからもの達を集めることでゲームに勝利することができる。見つかった?
ここで言う夏とは、つまり、夏休みである。それも恐らく小学生の夏休み。もう随分とその頃からは時間が経ってしまい、夏休みの後は2学期だっけ?3学期だっけ?て感じだ。
夏休み自体の思い出もほとんど思い出せない。少ないながらも記憶を辿ることはできるのだが、どうも好意的な感情が湧いてこない。多分あまり好きじゃなかったんだと思う。
原因は思い当たるフシがあって、自分が喘息とアトピー持ちだったからだろう。今となっては両方とも落ち着いたものの、暑さに対する耐性がひどく弱くなる疾患だった。
夏を楽しめるようになったのは社会人になってからのような気がする。ある程度自分で使えるお金が増えてくると、暑さをうまいこと回避しつつ、おいしいとこだけ楽しめるようになる。
海が好きになった。子供の頃は海水というのはただ肌にしみるものでしかなく、同じ泳ぐならプールの方が良かった。大人になると海への畏怖を感じられるようになり、それが刺激的だった。
恋に結びつくことはなかった。うまく立ち振る舞うことのできなかった諦念と悔悟は今でもドス黒い煮凝りとなって自分を形成している。
もしも夏のたからものを集められていたら、違う人生になっていた気がする。いや、見つけられる者と見つけられない者、それは予め決まっているのかもしれない。
君はどう?
もしまだ見つけられないのだとしたら、多分そういうこと。
(dynamo)
ドイツ語で贈り物というタイトルの小箱ゲーム。要らないプレゼントはチップを払ってやり過ごそう。
人数によって規定のチップを配り、3から35までの数字カードをシャッフルして裏向きに配置。
そこから無作為に9枚除外、残った数字の山札を1枚めくって誰がもらうかを決めます。
カードは全てマイナス点になるので誰も欲しくない、そこで最初に配られたチップを1枚出してパスが出来る。
そうやって順番にパスをして、何周もチップを出して続けていけば何処かで絶対引き取る人が出てきます。
受け取ったカードはマイナスですが、それまで溜まったチップも全てもらえるので、次回以降のパスに使えます。
チップはこの方法でしか増やせないので
、パスばかりしているとチップがなくなって後々困るという。
あと、連番の数字を引き取ると低い数の方しかマイナスにならないというルールがきいている。
例えば20のカードを持ってたとして、21を引き取ったとしても失点は20だけ!この時にもし19のカードを引き取ると失点は19のみになる。
最終的にチップは1枚1点になるので、取ったカードの失点とチップのプラス点を精算して得点が高い(失点が低い)人の勝ち。
引き取った数の連番が出てきた時は自分だけが得をして相手のチップも吐き出させるボーナスタイムですが、もう一周いけるだろと思ってたら誰かに取られたりするので、他の人が持ってるチップ数を分からないなりに何となーく把握しておいたり、逆に自分のチップ数は悟られないように。
9枚除外しているので連番が出来ない数字も出てきて、非常に軽いプレイ感だけどちゃんとジレンマがある、安定した面白さのゲームです。
(やまだ)
1~104までのカードをシャッフルして10枚ずつ配り、それぞれ1枚選んでせーので出す。
4箇所ある列の当てはまる場所に並べていってどこかの列が6枚以上になったら置かれているカード(マイナス点が書いてる)を引き取る。
手札10枚がなくなったらラウンド終了。
マイナスは累積していって誰かが-66点になるまでが正式なルールだが、好みで低めに設定したり10枚勝負だけでも良いと思う。
人数は1発でマイナス点を取る可能性がある5人以上、出来ればMAX10人がお勧め。
終盤になるとえーとかうわーとか悲鳴が聞こえてきて楽しい。
戦術めいたものもあるにはあるが、まああまり悩み過ぎずに楽しむのが良いかな。
人数が増えるほどパーティーゲームになるので軽くワイワイやるのにうってつけで、皆で集まった時にトランプやウノもやり飽きたなんて時に出すと喜んでくれるはず、軽くて分かり易い良いカードゲーム。
1枚も取らないで終わるととっても嬉しい!
(やまだ)
大変素晴らしいゲームです。残念なのはイラストの動物がはっきりしない点でしょうか。牛なのか猪なのか。はたまた蜘蛛なのか。畑正憲氏の志を忘れてしまったかのような仕事ぶりですが、日本国外の方にそれを求めるのは酷というものかもしれません。
(オリエンタル)
簡単にルールを説明してしまうと、減点されるゲームである。いかに減点をされないか、が肝というわけだ。ゲームの勝者は一番減点の少ない人になる。この傾向は、例えば大企業、電電公社系などでは大変顕著である。こういった企業では、基本的に「バッテン」がついた人間は高い出世が望めない。
私もこういった企業によく出入りしていたものだが、彼らの出世への意識、またその障害となりうる「バッテン」、つまり減点に対する警戒心は並々ならぬものがあったのを記憶している。一度でも「バッテン」がついてしまった場合、その人間に対する態度は、自社内であろうとなかろうと、突然冷たくなってしまうものだ。
大げさではない。事実、私が懇意にしていた企業の部長さんは、とあるプロジェクトでかなり思い切った製品採用を行った。(恐らくこの背景にはそのメーカーと部長さんとの間に何らかの取引があったと思われるが定かではない) しかし、いざサービス開始のタイミングでその製品に重大なバグが発見されてしまい、挙げ句、その改修にかなりの日数がかかることが判明し、最終的には改めて製品の選定し直し、という事態に陥ったわけだ。
当然「バッテン」、減点である。ニムトで言えば牛7個。出た時点でゲームを降りたくなるレベルだ。実は、実際その部長さんも、その事件をきっかけに、自分でも最早この会社で出世を望むのは難しいと考えたのか、早期退職の募集に早々に手を挙げ、事件の半年後には退社されていた。
私もそれを機にその部長さんとは疎遠になったのだが、最近Facebookで得た情報によれば、退社後に半ばやけくそで始めた無農薬野菜のビジネスがふとしたことで軌道に乗ったらしく、今は再婚相手とマレーシアでお幸せにされているとのこと。ゲームと違い、現実とは分からないものである。
ニムト、機会があれば是非やってみようと思う。
(Dynamo)
シンプルイズベスト。
各自1~15までの数字カードを15枚持ち、-5~10までの得点カード15枚を奪い合う。
出てきた得点カード1枚に対し全員がせーので1枚出し1番高い数字を出した人が得点を獲得。複数いる場合は次に高い数字を出した人が獲得。
マイナス点の場合は逆に1番低い数字を出した人が取る。
これを15回繰り返し1番得点が高い人の勝ち。
使ったカードは戻ってくる事はないので如何に人とバッティングしないで高い得点カードを取るかを考えるゲームだが、
皆同じように考えてるので水面下での心理戦がとても熱い。
これ以上削ぎ落とせないくらいのルールでこんなに面白いものが出来るのかと感嘆。
ボドゲ初心者に放課後さいころ倶楽部という漫画を貸したら色々なゲームが載ってる中でこのゲームへの食い付きが1番良かった。
それはつまりルールや勘所や面白さが分かり易いという事である。
初見で皆一緒になって楽しめる、同じ土俵で戦えるゲームというのは実はなかなかない。
(やまだ)
2人のギャングスターのためのゲーム
(python)
俺は世界をまたにかける営業マン。苦節40年やっと自分の営業スタイルというものが確立できた気がする。
「あどうも!よろしくお願いします今日は!えっと、はい、そうですよね!契約内容を今日は確認させていただいて、まもしなんかちょっと違うというか、思ってたのと違うなーていう点がありましたら、まあちょっと擦り合わせていく感じで・・・。あはい、ありがとうございます。え?!あそうなんですよ〜〜いやいやいや!彼女も別に悪気はないんでしょうし、なんか逆にすいません、気にしていただいちゃって。はっはっはっ!そうですね!いやなんかありがとうございます。ゴクリ。さて、、、じゃあれですね、そろそろ、はい本題ということで、はい。これがーあれですよね、イベント名があって会場があって、あそうか、全部で4つか。いやもー色々あって分かんなくなちゃって。大丈夫です大丈夫です。で次が、あ、ここはそっか、まあ時間結構シビアですけど、いやなんとかなると思います。ええ、こういう感じでいかれる方結構、ありまして、はい、大丈夫です。で、と、、、あー、、、スー、、、これって、、、あー・・・・・・・。あすいません、えと今回の主催者様は、、、あそうですよね。んーとなるとそっか、んーどうしようかな。え・いや、ここの、、、ええ・ええ・えぇ、そうなんです。いえ高いというか、んーちょっと微妙に、認識がんー違ったなと。あいえいえそういうことではなくてですね。えと、今回はご自身が主催者様ということなので、ここちょっと、んー、ケースとしては珍しいのかなと。ええそうですね、、、まれーーーにこういうパターンもあるっちゃあるんですが、、、基本的にはそうですね、あまりないパターンの方が圧倒的に多いものでして。いえ、もちろんそうでない場合もありますが、それにしてもちょっと、微妙に設定として少し高い印象、かなー、と。ええはい、そうなんです。スー・・・んー、、、困ったな。これだと中の人間を若干説得させづらいと言いますか・・・いやー、そうなんです。私の方もちょっと、最初にご自身が主催者様ということを伺っていましたもので、まいつものケースで大丈夫かなと思っていた所がありまして。んー・・・・ここあると、どうしますかね、最悪、進めるのが難しい部類に入ってくる可能性があってですね。私としても極力そういったリスクは、ええ、避けたいなと。はい、はい、いやそうなんですよ!多分それが一番あれじゃないですか、お互い不幸といいますか。ですのでえーと、もし可能でしたら、一旦ここだけちょっと検討していただく感じで、、、、そうですね、はい、具体的な部分は基本的にはおまかせする方向で、はい。。。んー例えば、ここノルマの部分を可能であればカットしていただいて、んー、代わりにバック分をちょっと下げるとかなくすとかそんな方向ですとか。。。いやーそうですね。そういう感じですと我々としても非常に助かるといいますか。せっかくですからね、一緒にこう、うまいこと盛り上げていかせていただきたいなと、我々としても思っておりますし、せっかくですから、ええ。もしなんでしたら色々こちらでも調整してみますので、ちょっとさっきの部分だけ、一度また検討してご連絡いただく感じで、、、、よろしいですかね、、、、、ありがとうございます!!助かります!!いや私も個人的にちょっと今回のは気合が入っているというか、ええ!ええ!はい!なんとなくですけど、かなりいい感じになると思ってるんですよね。えーそうです、、、そりゃそうですよ!はっはっはっ!・・・おっと、では、ええ、そろそろ。はい、そうなんですよー次も、はい。中々うまいこといかない所もありまして、、、こちらみたいに話がスムーズにいくと嬉しいんですが、、、これ終わったらまた例のトコ、そうそう新しいの入ったみたいで・・・あ!!じゃここで結構です!いえいえいえ!また!はい!ご連絡ください!なんかあったらご相談いただければと!はい!メールでも大丈夫です!では!よろしくお願いいたします!失礼します!!」 シュー
(dynamo)
正義の勝利か?それとも闇に呑まれるのか?
アーサーと円卓の騎士たちにより、平穏を取り戻したブリテンに再び暗雲が立ち込める…。
ブリテンを治めるアーサー王は一縷の望みをかけ、キリストの血を受けたとされる“伝説の聖杯”を求めて騎士たちを探索に差し向けるが、すでに円卓の騎士の中にはアーサーの不義の息子であるモードレッドの息のかかった者たちが息をひそめており、王国転覆をもくろみ円卓の騎士の探索行を妨害するのだった。
魔術師マーリンだけが裏切り者たちの名を知っているが、円卓の騎士たちの一人に化けているマーリンの正体が知れてしまえば、たちまちマーリンの命は奪われ、魔女モルガナに対抗できるものはいなくなり、王国は滅びてしまうだろう。
(python)
“The road to hell is paved with good intentions”
(地獄への道は善意で舗装されている)
誰も信じてはいけない。
沈黙を守るだけじゃ勝利を掴めない!!
リスクを冒して立ち上がれ!
今がその時だ!!!
(JET)
聡子は押し戴くようにその紫の棒を手に取ってみた。始めそれはひどく緊張した面持ちで頭を垂れていたが、康介に言われた通りひとしきりじっと眺めていると、確かに一つの意志を持った生き物の如き脈動を微かに感じることができた。なるほどこれは不可思議。いずれにせよ将来伴侶となる人間にこのような紫塔が植えられている事実に戸惑いを覚えつつも、しかし触れているうち少しだけ何か得をしたような、妙に下世話なことも考えてしまうのだった。何より聡子の心をくすぐったのは、件の「生き物」を恐らく貴子はまだ手に入れ得ないだろうことである。それどころか存在することすら知らぬのではないか。全く単純な話ではあるが、狭い世界しか知らぬ聡子にとって、その一事は涅槃を垣間見た人間しか窺い知れぬ既得感を与えた。一度灯された火は最早消えることはなく、階段状に示された道程を這い登る熱量は真銀の艀となり聡子の内壁に蒸着した。悠久の刹那を感じたのも束の間ふと目を向ければ、既に掛け時計は午前三時を指していた。涅槃の残り香に身を浮かべつつ、明日こそは母に手紙を出すのだ、と聡子は決意するのであった。
(dynamo)
プレイヤーは切手をオークションで売り買いするオークショニアとなり、少しでも良い値で取引できる切手を集めて売りさばき、一番多く稼ぐ事が出来たプレイヤーが勝者となります。
(python)
クニツィアが作った競りゲームの金字塔、モダンアートの日本版。
このゲームひとつで様々なオークションが出来ます。
数種類の競りでお金を増やし最終的に一番稼いだ人が勝ち。
モダンアートは新進気鋭の作家達の絵画に値を付けるというテーマだったが
スタンプスはその名の通り切手がテーマになっている。カードのサイズも切手ぐらい。
相場を読んで切手の価値を上げたり下げたり、
その為にどの種類のカードを出すか、どこで稼ぎにいくか、または買わせるか、
勝負所と収支を絶えず計算して自分だけが得するように持っていくヒリヒリ感は元のモダンアートと変わらないけど、
スタンプスの残念な所は圧倒的にお金の枚数が足りてない。
特に後半は頻繁に両替をしないといけないのがちょっと煩わしかったり。
あとはお金を隠せる衝立が付いてない事もマイナス点。
勝敗に直結するお金は絶対に見られちゃいけないので、ペラペラでもいいから隠せるものが欲しかった。
ゲーム自体はとっても面白いんだけど、元からあるものをリメイクで出すからには
良い所はきちんと受け継いで欲しかった。
箱とかサイズ感とかはスタンプスの方が可愛いくて良いんだけどなあ。
そういう所も含めての点数。
余談ですが、競りゲームから競りをなくしたという凄いリメイク作『モダンアートカードゲーム』も面白いです。
やっぱクニツィアは天才だな。
(やまだ)
切り札を隠し持ってるように思わせてるカードは実際はなんの効力もない
だけど捨てないで持っていれば、何かの意味を持つ可能性は無くない
〜幻聴〜 Mr.Children
と桜井和寿氏の歌声が聞こえる、そんなゲームです。
(JET)
膨大な数のゲームを生み出すライナークニツィア作、数ある2人用ゲームの中でもベストの呼び声が高い名作。
古代の戦争をモチーフに隊列を組んでフラッグを奪い合う。
1~10の数字が各6色の60枚をシャッフルしてお互い手札7枚にする。
9つのフラッグを奪い合うが、それぞれの場所はカード3枚でポーカーの役を作って強さを決める。
役は強い順に
ストレートフラッシュ
スリーカード
フラッシュ
ストレート
ブタ
同じ強さなら先に役を揃えた方がフラッグを取れる。
9つのフラッグの内、先にどこか5つ取るか、隣り合う3つを取ると勝ち。
巷では洗面器ゲームといわれてますが、要するに我慢比べですね。
カードの強さなり役なりが確定してしまうから出したくないんだけど
1枚絶対に出さなきゃいけないので無茶苦茶悩む。もう最初から最後まで悩みっぱなし。
これだけでも十分面白いが、10枚ある特殊な効果を持った戦術カードを使う事によって無理だと諦めてた場所を逆転出来たりするから更に考え込む。
ゲーム中はお互いうんうん唸ってちょっと待ってを連発、苦しいのはお互い様。
胃がキリキリするくらいのクニツィアジレンマを是非とも体感して欲しい。
(やまだ)
2007年に年間ゲーム大賞を受賞した「ズーロレット」のコンパクト版です。
(python)
・・・僕が君を過去に送り込んだのは、実はそれだけが理由じゃなかったんだ。
だってそうだろう?現にもうあの二人は駄目になってしまっているんだから。もし本当にそれが目的だったとしたなら、今の僕達はただの間抜けということになる。目的を達成したと早合点して涙涙のお別れ、さっさと未来に帰ってきてしまったんだからね。
薄々感づいていたんじゃないのかい?既に今となっては時間軸理論が直列でも並列でもなく、連鎖円環によるものだということは明白であり、実際に応用にまで発展している。しかもこの理論の基礎となる部分は、君が過去に送り込まれた時には既にある程度確立されていたわけだ。
君に与えられた任務は、勿論、直列時間軸を前提に考えられたものだ。過去に一定の作用を施すことによって、望ましい「僕達の未来」を創出しようというんだから。連鎖円環時間軸理論が確立された今にいたって、それがいかに馬鹿げた任務かがよく分かる。
当時は僕もそのことに何となく気がついていた程度だった。しかし、それでも良かったんだ。本当の目的は別のところにあったんだから。
ねえドラえもん。おかしいと思わなかったかい?何故君はロボットであるにも関わらず、耳がない、色も仕様と異なる、それなのに廃棄もされずに放任されているか。自分を特別な存在だと思い込むことで納得していたのかもしれないね。
先に結論を言おう。君はロボットじゃないんだ。
正確に言えば、元々はロボットだった。いわゆる通常の猫型ロボットとして生産されたものであることは間違いない。だが変わった。僕によって、僕に寄生している酵素341T型によって。
そう、もう分かったと思うけど、彼らがウィルスと呼んでいるものの正体はこれなんだ。
この酵素341T、分かりやすく彼らに合わせてウィルスと呼ぼうか。こいつは実に奇妙な特性をもったもので、寄生手段としてなんと時間を使うんだ。時間を宿主とすると言っても良いのかもしれない。
もう少し詳しく話そう。まず最初にこのウィルスは時間に「近い」存在を見つけ出してそこに寄生する。対象は、僕と君両方が感染していることから考えても、有機・無機は関係ないと結論づけて良いだろう。そして宿主の思考や電気信号を完全に支配下に置く。これが第一段階。
その状態で対象の宿主が時間を移動するのを待ち続ける。言うなれば綿毛を付けた花が風に吹かれるのを待っているようなものだね。そして寄生した宿主がめでたく時間移動を行うと、そこで第二段階が発症する。時間をトリガーとして自らを孵化させるわけだ。
すると今度は、その宿主と連鎖円環的に導き出される未来の特定の時間と場所に存在する対象物への感染経路を開く。時間を超えた飛び火とでも言うべきか、とにかく飛び越えた先に存在する、今度は有機物を限定として、新しい第一寄生ポイントを確保するんだ。
これら一連の仕組みを繰り返して自らを繁栄させていくんだ、この「ウィルス」は。俄には信じ難い特性だけど、これをもって考えると合点がいく部分が確かに色々出てくると思う。例えば、何故いきなり何の共通点も見い出せない感染者が突然変異的に表出するのか。これも時間からの感染と考えれば全く簡単に理解することができるね。
すまないね、と言えば良いのかな。本当に最初はただの好奇心だったんだよ。病理学と物理学の融合は僕にとって大きなテーマだったんでね。君やのび太達を巻き込んでしまったのは申し訳ない気もするが。
でも科学ってそういうものだろう?それで人類という一つの種が滅亡するのだとしたら、僕はそれは肯定的に受け止めるべきことだと思っているんだ・・・
出展 「ドラえもん のび太と接触感染」 より
(dynamo)
元々アメリカで同人で出してたゲームで、こりゃあ面白いという事で話題になり製品版が出た経緯を持つ。
中世の修道院となり見事な装飾写本を作ろうぜ、というほとんどの人に馴染みがなく、すごーく地味なテーマですがゲーム自体は破茶滅茶に面白いです。
5色のサイコロを使うゲームですが、1度も降りません。得点として置いておくだけ。
山札がなくなるまでカードを分配していく前半、分配したカードを競りで獲得していく後半の二段階に分かれた構造。
最終的には5色それぞれの数字比べなんですが、
せっせと分配して集めたカードで勝ちたい色のカードを落としにかかる。
相手が何色を集めてるかハッキリと分からない中で、勝ちたい色とそうでない色をこっそり取捨選択、分からない色は取れたらラッキーぐらいで残して。
面白いのが5色のカードを落とす為のお金カードも競りに出てくる所で、その場合どれだけの手札を捨てれるかになる。
あとはサイコロがそれぞれの色の得点として置かれてますが、得点を上下させるカードがあったり。
テーマの分かり辛さ、ルールの説明し辛さなどで敬遠する方もいるかもかもしれませんが、システムを理解すると非常に悩ましく面白い。
一時期こればかり遊んでたぐらいに好きなゲームです。
(やまだ)
ここローマでは執政官の地位をめぐる選挙の最中です。
プレイヤーはこの立候補者に扮し、重要なローマ市民の後援を得るべく、フォルム・ロマヌム(フォロ・ロマーノ)中を奔走します。
限られた時間で皆の耳目を誰よりも多く集めるには、戦略と戦術が重要です。 ゲーム終了時、市民から最も多くの支持を受けたプレイヤーが執政官に就き、勝者となります。
(python)
二度とチェックアウトできない宿屋があると言う。
1831年、フランス:アルデシュ県の片田舎にある小さな村、ペールベイユを、数多くの観光客や巡礼者が通り抜けています……
そして、ある貪欲な小作農の一家が財を成すことを決意し、この目的を達成するために悪魔のような計略を考案しています――旅行客に強盗を働き、警察に疑われることなく富を得ることができる宿屋に投資しようというのです! 彼らの計画がうまくいくかどうかにかかわらず、確かなことが1つあります――すべての客が生きてこの宿屋を離れることはないでしょう……。
(python)
日々膨大な数が出続けるボードゲーム、様々なテーマを扱ったものが沢山出ています。
領主となり繁栄させたり、宇宙でドンパチしたり、病原菌から地球を救ったり、叔父の遺産を浪費してみたり、キリスト教公認のゲームなんてのもあるぐらい幅広いテーマがあります。
その中でも異彩を放つテーマのゲームがブラッディイン。
フランス地方の宿屋を舞台に、主人となり客を殺害して埋めて金を取ろう!というなんとも不謹慎なゲームで、
正直これだけでブラック好きな人は食い付きが良いんではないか(自分がそうです)。
システム的にはカードが得点にも、コストにも、特殊能力にもなるというもので、
カードを払って欲しいカードをもらう、そのカードを使って発展させていくというのは2004年に出たサンファンという名作ゲームと大体同じ。
勿論サンファンにしかない要素、ブラッディインにしかない要素は色々ありますが。
この手のゲームはカードに書いてある効果の優劣が激しいのがちょっと気になるのと、
初心者はカードの能力を把握するのにいっぱいで、戦略を知ってる経験者にほぼ勝てないのが辛い。
逆にいえばやり込むほど色々な戦略を取れるんですが。
自分の手番にやれる事が少ないのでいつもカツカツで爽快感は皆無ですが、じりじりと殺害計画を練って実行するというテーマと合っているんじゃないでしょうか。
遊び始めると自然と『こいつ殺す』『死体埋めるかー』などの物騒な言葉が飛び交って楽しいです。
(やまだ)
鉄板ゲーム、ブロックスの2人専用バージョン。
ルールは変わらず、少し狭くなったボードの上で対戦プレイ。
本家はそれぞれ四隅からスタートだったが、デュオでは真ん中辺りからスタート。
やる事はまんまブロックス、
違いといえば本家は勢力を伸ばしてきたトップ目のやつに対する隣同士の無言の結託や、協調しつつどこで出し抜いてやろうか、など複数人ならではの攻防がありますが
ブロックスデュオでは相手が1人なので妨害がすなわち自分への利益となる。
邪魔のし合い、いうなればノーガードの殴り合いです。
ブロックスやりたいけど2人しかいない時や、6人いるけどブロックスやりたい時に本家とデュオで分かれて、など。
2人専用なので通常のブロックスを2人でやるよりは良いと思いますが、やはり4人集まって本家をやった方が楽しい気がするのは絡みが増えるからなのか。
新鮮な部分はないですが安定感のある面白さです。
(やまだ)
短時間で終わる陣地取りとセットコレクションを合わせた秀作。
さすがに八分では終わらないけど、サクサク進むとあっという間に終盤になります。
人数に合わせたコインを配って、ボードのお城が書かれてるマスに自分の色のコマを3つ配置、山札から6枚カードを並べたら準備完了。
カードにはコマを増やしたり動かしたりするアクションマークと、鉄や人参といった集めた分だけ得点になる資源マークが書いてあり、良いアクションが書かれてるカードは大体資源がしょぼい。
陣地取りで稼ぐか、資源で稼ぐかのバランスが大事。
順番に並べた6枚のカードは、後ろにいくほど支払うコインが増えていきます。
コインは増える事はないので使い過ぎてると1番手前のカードしか取れなくなったりするので、計画的に使いましょう。
そうやって順番にカードを取っていって全員が規定の枚数取ったら終了(最大の5人プレイだと7枚という少なさ!)
・区切られたマス毎にコマが1番多い人に1点
・各大陸でコマが1番多い人に1点
・集めた資源枚数による点数
を足して合計の多い人の勝ち。
八分帝国の名の通り、割と時間の掛かる陣取りを短時間に仕上げたゲームですが、きちんと迷いどころもあります。
拡がってきたぜ!と思った頃には終わるので物足りないと思う人もいるだろうけど、この手軽さは初心者と遊ぶ時なんか重宝しそうです。2~5人まで出来るし。
裏表で違うマップになってるので連戦しても良いかも。
勝ちたいのなら新大陸へ行く事だな!
(やまだ)
「分からんね、君の言っていることは。」
「何と仰られても私には出来かねます。」
「君は先ほど言ったはずだ、プロ意識を持ってやっていると。」
「申し上げました。」
「では聞くが、プロとは何かね?自分に与えられた仕事を遂行し、その対価として報酬を得る。さらに言えば、それによって生活を成り立たせる。つまり生業だな。それがプロではないのかね?」
「確かに、その点は仰る通りだと思います。」
「なるほど、同意していただけるわけだ。ということは、報酬を得るにあたって、より効率の良いやり方を考えるのは当たり前ではないかな?勿論そこには質の担保も必要だがね。」
「質が伴うのであれば問題ないとは、思います。」
「よし。では話を戻そう。君は40分で、幾らだったかな、1万円のサービスを提供している、と。私はその5分の1、8分で1万円の報酬を支払うと申し上げた。ここまでで今までの議論と噛み合わない部分はあるかね?」
「ありません。いえ、しかし…」
「分かっている。内容が問題だと言いたいのだろう?質と言い換えても良いかもしれない。だが見て見たまえ、この部屋を。君も日々さまざまな客と接するだろうが、これほどの部屋が用意されていることはまずないと思うが?」
「それは確かに、そうです。」
「ありがとう。いや、結構自分でもその点に関しては自信を持っているのだよ。サービスを授受する場としてはこの上ない場だと思っている。加えて申し上げているように、通常の5分の1、つまり8分で仕事を終えられる。プロとしてこれ以上のことがあるだろうか?」
「いえ、ですから…」
「簡単なことではないか。君は毎月この部屋に来る。車は手配しよう。私は大便をする。君は見るだけだ。何にも触れる必要はない。ただ罵るのは忘れないでいただきたい。そして8分後に報酬を受け取り部屋を去る。あとは自由だ。どうかな?」
「出来ません。」
「なぜだ!!」
出展: ひりだし刑事 第53話 「我が帝国」 より
(Dynamo)
転がして建てて勝て! コロガリア王国の新首都の座を手に入れるのだ!
コロガリア王国はいま、上を下への大騒ぎの真っ最中だ。いと計算高き女王スタティシア陛下が、南から来た蛮族に略奪された首都ディエネスを捨てて新しい首都を定めると宣言されたのだ。君は、コロガリア王国の著名な貴族家の家長として、自分の都市をコロガリア王国の新首都にするべく、競争しなければならない。
(python)
動物はみんな同じ大きさじゃない
―そんなの子供だって知ってるよ!
でも、動物の実際の大きさとなると別問題。キリンの身長は5メートル以上で、コウテイペンギンの体重は30キロ以上もあるんです。それではシロクマのしっぽの長さや、コガネガエルの生息地域はどうでしょう? 全部知っているはずもありませんが、『ファウナ』ではそれを予想し、ゲームボードに予想コマを置いていきます。正解だけでなく、正解に近くても得点になります。ただし予想コマをたくさん置き過ぎて外れると、没収されて得点が減ってしまうので注意しましょう。
(python)
みんな大好き、脳が汗をかく数字ゲーム。
牌は1~13が4色各2枚ずつと、ジョーカー2枚の計106枚。
それぞれ14枚ずつ配ったらスタート。
手番では山札から1枚引くか、手牌から場に出すか(最初に出す時だけ数の合計30以上の縛りがあります)
同じ色の階段か、色違いの同じ数字を場で作っていき、最初に手牌をなくした人の勝ち。セットは必ず3枚以上になるようにしないとペナルティがあります。
このゲームを特徴付けているのは、共通の場に出ている組み合わせに足したり、崩して新しい組み合わせを作れる事。
なので誰かが組み替えたりすると、自分の番にやろうと思ってた事が出来なくなったり複雑になったり。
制限時間1分の中で脳をフル活用して、あれをこうするとこれがそうなって一個余るからこれをどうするとこうなる……、という風になんとか出来ないか必死で考えます。
遊ぶ時は専用のラミータイマーアプリが無料で落とせるので必須。
ちゃんとしたルールだと残ってる手牌がマイナスになって何ゲームか繰り返すらしいですが、周りでは一回勝負を何度もやってます。
骨格はシンプルながら何回やっても飽きない、よく出来たゲームです。
文だけ読んでも面白さは伝わらないと思うので、実際遊んでみると楽しさが分かりますよ(布教)
(やまだ)
ルーマニア生まれのユダヤ人のエフライム・ヘルツァノによって1930年代はじめに発明されたゲーム。
(python)
サムライの力の源は農民・僧侶・貴族のサポートだ!
サムライの3つの力の源は、田畑と仏像と兜で表している。このゲームでは、この3つの力を、黒い彫刻されたコマで表現している。
ゲームボードは島ごとに4枚に分けられ、それぞれを合わせることで日本列島を再現。ゲームで勝利するためには、その町や村に及ぼす力が1番になるように最も有利な位置に自分のトークンを配置して町や村を 囲み、そこにある力の源となるコマを取っていかなければならない。
(python)
沢山のゲームを出し続けるライナークニツィアは、日本を題材にしたゲームも色々と発表している。
その中のひとつ、サムライという日本ど直球の陣取りゲーム。
このゲームでもクニツィアお得意の、あちらを立てればこちらが立たずのジレンマが満載で、うんうん唸る感じ。
3種類のコマ(兜、田、仏像)を城の書かれたマスに配置していって、その後順番に各自のタイルを配置していきます。
コマのマスの周りをタイルで囲んでそれ以上置けなくなったらコマに対して1番影響力の強い人が取ります。引き分けなら誰も取れず除去。
1種類のコマ全てがボードから取られるか除去したコマが4つになると終了。
タイルの種類は
・兜、田、仏像3種類それぞれに2~4
・3種類全てに影響力があるサムライ1~3
・海に置ける船1~2
・既に置いたタイルと入れ替える0
・コマの位置を入れ替える
などがあり「侍」と書かれたタイルは置いた後に別のタイルを置けます。
これらを駆使してコマを取っていくわけですが、得点の仕方がちょっと変わっていて、3種類の内2種類を1番多く取ってたら文句なしに勝ち。
そうでないなら1番多く取った種類は数えずに残りの数で勝者が決まるというもの。逆にいえばどれか1種類を多く取ってないとその時点で負け確定。
1種類だけを狙って取ってても勝てないという事ですね。
3人以下だとマップが小さくなるので、4人で完全な日本列島マップで遊ぶのがオススメ。
海外版にも関わらずパッケージに日本語で「このゲームは最高!」と書かれていたり、札幌や秋田があるのに首都は江戸だったり、何故か東北地方に富士山が書かれてたりと、怪しさ満点ですがゲーム自体は「最高!」です。
(やまだ)
これでもかと要素を盛り込んだ重めのゲーム。
深海の調査基地でロボットに指示を与えて、クリスタルを集めたり基地を拡張したり侵入したタコを退治したりするゲームです。
やる事はシンプルだけど、要素が多すぎてルール説明に時間が掛かる。インスト込みで2時間くらい。
手番に出来る事はロボットにプログラムするか、既にプログラムされているロボットのアクションを実行するか。
プログラムは7種類あって
・クリスタルを取る
・タコを退治する
・潜水艦を出す
・時間マーカーを取る
・基地の拡張
・調査カードを取る
・上記を決まった場所で行える
というもの。まずやりたい事をロボットにインプットして、次のターン以降に予約した行動を実行出来るという二段構え。
他の人が何を狙ってるかも分かるので、先に動いたり違う所を狙ったり(そんな余裕があれば)
処理の仕方や中間決算、最終決算の得点方法などまあよくこんだけ詰め込んだなという印象。それでちゃんとまとまってるから凄い。
必然的にコンポーネントも沢山で準備も大変。
やりたい事は多いんだけど、全然出来ない辛さというか。どんどん先細りする選択肢からどう得点を伸ばしていくかを考えるゲームですね。
1度遊ぶと次回からはもっと上手くやれそうな気になります。
他の作品は遊んだことないけど、フェルドの作るゲームは大体どれも要素てんこ盛りらしい。
面白いんだけど気合いを入れないと出来ないというか。時も人も選ぶゲームで、稼働率は低いです。面白いんだけど。
その分終わった時はボードゲームやったな!という充実感に包まれます。
(やまだ)
タコポッドに気をつけて!海中調査で新種のクリスタルを回収せよ。
海中調査ステーション「アクアスフィア」の調査チームにようこそ。君の目的は、新種のクリスタルの回収と解析、および研究の邁進だ。君がこのステーションにいる時間は限られているため、任務を成功させるために最新モデルの探査ロボット(通称「ボット」)を用意した。仕事に応じてボットをプログラムし、効果的に使ってくれ。ただし、君のチームだけがこのステーションを使用するわけではない。もし君が悪い成績しか残せないようなら、君との契約は延長できないかもしれないね。
(python)
勇者一行はほとほと困り果てていた。トマネーラのことである。この男はアズマスの町から勝手に付いてきたわけだが、どういうわけか、勇者一行から片時も側を離れようとしないのだ。
最初は助けてもらった恩を返すつもりで付いてきているのだろうと話していたが、どうもそういうわけでもなさそうなのだ。特に何かを手伝うというわけでもないし、ましてや先回りして哨戒を行うなどということもしない。ただ、いるのだ。
馬車はかなり大きめに作られているので、人が一人増えたぐらいで窮屈さを感じることはない。多少の蓄えがあるのか、食事はどうやら自分でなんとか調達しているようだ。
しかし一つだけ、大きな問題があった。勇者一行の頭を悩ませているのは、彼のいわゆる女癖である。行く先々の町で女性を引っ掛けようとするわけで、それ自体は譲るとしても、問題は成功率が非常に悪い、ということだ。
女性というのは不思議なもので、モテる男に引っかかるのは良くても、モテない男に言い寄られるのは全く御免こうむりたい、という生き物らしい。つまり失敗した数が増えれば増えるほど、より失敗しやすくなるということになる。
これを町に滞在する度に繰り返すわけなので、最近では町に到着すると既に彼の噂が広まっているようになってしまった。これには流石に閉口するメンバーも少なからず出てきてしまっていた・・・
「ふぉふぉふぉ気がついたかの?これワシのことじゃよ。この後にダーマ神殿に到着した時のエピソードが見ものでな。ワシずっと馬車におったろ?実は勝手にレベル上がっとってな。気がついたらスーパースターじゃ。ふぉっふぉっ。」
・・・今夜も語り部の話はつづく。
(dynamo)
「かたん」
節子は筆を置いた。
「では申し上げます。何故今になってそのようなことを仰っているのか、私には理解が及びません。勿論、竹島さんから助言いただいた際には、ひょっとするとこれで万事うまく収まるかもしれない、と私自身も期待していたのは事実です。その際に今回の事態まで考えが及んでいれば、エッちゃんもあんなことにはならなかったでしょう。今更申し上げても仕方のないことですけれど。実は、この段になったから打ち明けますが、一度彼女から相談を受けたことがあったんです。軽井沢に行くためのお洋服を一緒に買いに行きましょう、といって丸井に行った時のことです。なんだかひどく大きな溜息、それも一つや二つではないのです。いつもは元気な子ですから、私も妙に気になったのを覚えております。あまりのことでしたので、思い切って訳を聞いてみたのです。あなたご存じですか?彼女には飼い犬が三匹もいたこと。当時は私達もそんなに多くの給金をいただいていたわけではありませんので、その時は大変に驚きました。だって犬を一匹飼うのだって餌代やら何やら費用がかさむものでしょう。それが三匹と仰るのですから。ひょっとしてどなたかお知り合いの犬を代わりに面倒を見ているのかしらと思ったのですが、話を聞くとそうではなくて、やっぱりご自分で購入された犬なのだそうです。お互いのお財布事情は知り合っていた仲ですから、私ピンと来たんです。やったんだな、て。当然本人には自分からは申し上げませんでしたけど、お話していくうちに逆に打ち明けられてしまって。多分本人としても随分長いこと悩んでいたのだと思います。相談できる相手がいなくて困っていらしたそうで。私としてもせっかく相談相手として選んでいただいた自負がありましたもので、そこであなたにもお話したんです。覚えていらっしゃるか分かりませんが、離れを増築する際の業者さんについてです。そうです。ここまで申し上げれば察していただけたと思いますが、本当は竹島さんではなくて、福留さんだったのです。私だって福留さんに対して別段悪気はなかったものでしたから心苦しかったのですけれど、彼女をなんとかしてやりたい一心で変更を決断いたしました。でも思い出していただきたいのです。私はあの時あなたにきちんと確認したはずです。これこれこういう事情があるから今回はXBOXにする、そう申し上げたじゃありませんか。あなたは特に反対しませんでしたし、ご自分でカタログまで取り寄せていたのを私はよっく覚えております。それを今になってPS4だなんて。あの会社が私たちに何をしたか、まさかお忘れになったのではないでしょう。浮かばれませんよ彼女も。」
仕方なく今日は西の方を開拓することにした。
(Dynamo)
よくカタン以前、カタン以後と言われ方をするが
そのような言葉が生まれるくらいボードゲームの世界において金字塔、スタンダードな作品。
当初、多くの出版社から複雑過ぎて出せないと言われたが、交渉の末に小さな会社から世に出たカタンは世界中で受けまくってボードゲーム史上最大級のヒット作となる。
カタン島に入植してきたプレイヤー達は、資源を使い道を延ばし開拓地を建て都市へと成長させる、この文面だけで浪漫が溢れてますねえ。
ルールや戦術は様々な所で議論検証されてるので割愛しますが
資源管理、陣地取り、交渉、妨害、サイコロによる運要素など、
様々なものが高い次元で纏まっている正に王道の名作。
このゲームを機に様々な要素を組み込んだ名作ゲーム達が産まれていったのですね。
沢山の拡張が出てるが、遊ぶのは何だかんだ最初のやつのみでもいい気がします。人数を増やす拡張も時間が掛かるし4人がベストではないかと。
マップは毎回ランダムに作成しますが、
出来上がりによっては最初の位置決めが死ぬほど重要で、その選択を誤ると資源が全然取れないという所が欠点といえば欠点か。
あとはルール量と掛かる時間が全くの初心者にはちょっと厳しいかもしれませんが、
しかし名作である事は揺るがないので機会があれば是非プレイして欲しいゲーム。
最長交易路王に俺はなる!
(やまだ)
南フランスの都市カルカソンヌはローマ人と騎士の時代、比類のない要塞芸術の都市として有名でした。
プレーヤーは、配下のものをカルカソンヌ周辺の道路や都市、修道院や草原に送り込んで、自分の運を試します。
地域の発展はあなたの手にゆだねられ、成功するためには、
盗賊、騎士、建築士、修道僧をうまく使えるかどうかにかかっています。
(python)
この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わずゆけよ
行けばわかるさ
元プロレスラー、アントニオ猪木氏が引退時に放った名言である。元ネタは哲学者、清沢哲夫の書いた詩らしいのだが、猪木氏自身は一休さんの言葉だと思っているようだ。
ところで、人生とは儚いものである。
カルカソンヌをプレイする。タイルを敷き詰める。それは道になり町になり、彼らはその所有を宣言される。罵詈雑言、略奪、狡猾な権利主義、目を背けるべき諍いの果てにたどり着いたのは、一つの修道院だった。
一体何をしていたのか。妻と子供と老いる親、なんとか幸せという体裁を保つべく、その感覚は他の感覚を失わせる。友人は取引相手以上にはならず、恋人もまた、戦略上の手駒でしかない。愛よりも、土地。
そう、アントニオ猪木は闘っていたのだ。ただ闘い、道を歩む。一休さんも言っていたじゃないか、歩け、歩め、危ぶむなかれ。可能性はそこにある。この一足は確かに、幸せへの道程であるはずであった(!)
猪木氏はその後、本名である猪木寛至として政界に進出することになる。スポーツ平和党結成から幾多の闘いを経た現在、日本を元気にする会、最高顧問に就任している。闘い歩み続けた人間としては、なんとも儚い終着点である。
カルカソンヌ、機会があれば是非やってみたいと思う。
(Dynamo)
ドイツの2大ゲーム大賞受賞作、
フランス南部の世界遺産に登録されている要塞都市をモチーフにしたゲーム。
タイルを1枚引いて既に置かれているタイルと繋がる所に配置、そこへ得点手段となる自分のコマを置くかどうか決める。
街、道、修道院、草原の4種類があり、草原以外は完成させると得点が入りコマも戻ってくる。草原だけは戻ってこず最後に得点。
ほいほいコマを置いてたらひとつも戻ってこなくて得点が伸びない、なんて事もあるのである程度考えなければいけない。
風景が拡がっていく様は凄く好きだけど、個人的にはもう少しタイルの絵を書き込んである方が暮らしが拡がっていく感じがして好みかな(ゴチャゴチャしてると視認性が悪くなるけど…)。
対応人数の何名でも面白く、2人だとガチ、5人だとほのぼのと遊べます。
拡張がこれでもかと出てるので基本セットに飽き足りくなってきたら面白そうなものをお好みで。
全員が共通の場を見るので初心者にもここ置けるよ、とかアドバイスしながら出来るのは良いですね。
タイルを覚えるぐらいになったら世界大会が行われているので予選に腕試しで参加してみるのも良いかも。
ゲームと全く関係ないけどカルカソンヌの得点板は非常に使い勝手が良く、他のゲームの得点板としても使えるよ!
(やまだ)
ピラミッドがひっくり返り、ラクダがラクダの上に乗っかっていくという、すべてにおいてめちゃくちゃなラクダのレースを目撃せよ!
プレイヤーはエジプトの上流階級の一員になり、ラクダのレースに勝って莫大な富を得るという単純な目的のために砂漠に集まります。しかし、このレースではオッズの変動は、運だけではありません。このゲームでは賭けたラクダが勝つことも重要ですが、レースの流れとタイミングを読み切る勝負勘も重要な要素です。
(python)
顔の目から上が熱を帯び、両足は鉛のように重く、腕を上げても手首に力が入らない。いわゆる最悪な朝というやつだ。最悪も何回も経験すれば大して最悪ではなくなってくるのが人間の浅ましさである。
一月放置した揚げ油のような体を操作してなんとか冷蔵庫に辿り着く。大きさと見た目、全てが最高の相棒をまさぐり、凍った生姜を取り出す。続いてバナナ、牛乳、生卵、それらを一気にジューサーにぶち込み、仕上げにシナモンを5振り。一連の動作中は一切動きを止めないのが、最悪をノックアウトするためのコツだ。出来上がったジュースのようなモノを一気に胃に流し込み、そのままじっと5分間目を閉じる。ゆっくりと目を開け最初の煙草に火を点けると、もう最悪は姿を消していた。
勝利の余韻に浸っていると自室の状況がじわじわと目から忍び込んできた。カウンターに転がるグラス、赤白それぞれ2本ずつのワインの空き瓶、一切れしか食べられていないピザ、半分だけ閉じられたカーテン、脱ぎ捨てられたスーツとワンピース。ベッドに見える褐色の背中は恐らく、ジャイ子だろう。
ジャイ子は3ヶ月前にAWWP(Anti-World-Wide-Pandemic)に検疫官として赴任してきた。当時は自分も新設されたばかりの危機管理官なるポジションに就いてひと月ほど経った頃だったため、感覚としては同期に近い。幼少の頃からの顔見知りではあったが、特段自分の琴線に触れる容姿というわけではなかった。しかしいきなり戦地のど真ん中に放り込まれる絶望感と高揚感は、自分たちを今の関係に仕立てあげるスパイスとしては十分だった。
デスクのスクリーンには発症報告を告げるアラートが点滅していた。発症場所、隔離した患者数、死亡数、今後予想される感染経路など、対応を検討するための十分な情報が揃っていた。問題は、検討をしたところで得られる解決策が見つからないということか。
アラートの脇にはプライベートメッセージの受信が表示されていた。どうせ静香だろう。毎回仕事の話しか寄越さない割にわざわざプライベートメッセージで送ってくるのは、かつての関係を匂わせて優位に立とうとする意思表示なのだろう。煙草をもみ消しながらメッセージを開いてみると、意外にも内容は出来杉の婚約に関する話だった。
「出来杉さんがご結婚されるそうです。つきましては本部コンベンションセンターにてささやかながらパーティーを開く運びとなりました。特に本人のご要望で、小学校時代のご友人にお会いしたいとのことでしたので、のび太さんにもお声掛けしました。お忙しいとは存じますが、ご出席いただける場合は下記よりエントリーをお願いいたします。以上ご連絡まで。」
出来杉の話はスネ夫からも聞いていた。どうやら作戦エキスパートとしての仕事の中で、部下の研究員と良い仲になったらしい。スネ夫いわく、特に強力なコネがある女性でもなく、人当たりの良いごく普通の女性、とのことだ。彼らしい着目点と人物評価といったところか。
今思えば、出来杉が静香に靡かなかった理由がよく分かる気がする。同じデキる人間同士、身内を省みない博愛主義と打算的な立ち振る舞いを見抜いていたものと思われる。出来杉にとってはデキる役回りは自分だけで良いのであって、妻にそれをやられては迷惑なだけだったのだろう。
出展 「ドラえもん のび太とパンデミック」 より
(dynamo)
見習い騎士となり様々な分野で鍛練を重ね立派な騎士を目指しましょう、というカードドラフトゲーム。
5枚配られた手札から1枚選んで取り
残りの4枚を時計回りに(ラウンドによって反時計になる)次の人に渡していく。
回ってきた4枚の内また1枚取って渡す、それを最後の1枚までやると5枚の手札が出来上がる。
カードには7種類あるボードに対応した絵柄と進める数(2~5)が書いてあるので、どこを伸ばしたいか見極めて選ばなければならない。
1ラウンドでは5枚の内4枚のカードを出してコマを進め順位を決め得点計算。
それを6ラウンド繰り返して得点が高い人が勝ち、晴れて一人前の騎士となるのだ!
ボードの種類が沢山あり、順位ごとに毎ラウンド得点(失点)が発生する場所や、最終ラウンドだけ大きく得点(失点)する場所、他人は関係なく自分が進めただけ得点出来る場所、他のボードを進めれる場所なんかもあったりしてどこも大事。
進んだ数が同率だった場合は後から置いた人が1位となるので手札のカードを出す順番も重要だったり。
スタートプレイヤーは1番騎士っぽいポーズをとれた人からなので、せーのでこれぞと思うポーズを決めてみましょう。
外から見るととても間抜けで笑えます。
ボードを裏面にすると少し複雑になるバリアントを楽しめるので慣れてきたら。
ルールを読んだ時点でこれは面白いだろうと思い購入。
得点のチップがごちゃごちゃしてて最初のセットアップがちょっとだけ面倒ですが、
シンプルなカードドラフトの中にどのカードを選び何処で得点していくかの悩ましさがあり、時間もさほど掛からないしオススメです。
(やまだ)
大変分かり易く、説明も簡単なのでボードゲーム未経験者もすぐ始められるフランス産の鉄板ゲーム。
各自異なる色のテトリスみたいなブロック群を取り、ひとつを選んで順番に隅っこに配置。
次からは既に置かれている自分の色のブロックと『角』で接するように繋げて置かなければならない(辺がくっつく様には置けない)。
全員がブロックを置けなくなったら終了で、手元に残ったブロックのマス目が失点となり、一番失点の少ない人の勝利!
5マスのブロックをいかに上手く配置出来るか、
自分にしか置けない場所をいかに作るか、
対戦相手の置ける可能性をいかに潰せるか、
などなど
シンプルなルールの中に考える所は沢山あり、世界中でロングセラーとなっているのも頷ける安定の面白さ。
運の要素がない所謂アブストラクトゲームだが、同じ盤面になる事は皆無なので熟練者が必ず勝つという事もない。
惜しむらくは人数が4人限定である事ぐらいか。
2~3人でも出来るには出来るが、4人対戦の面白さには敵わない。
2人だと専用の『ブロックスディオ』があるのでそちらを遊びましょう。
相手のブロックの隙間をすり抜ける様に複雑な形のブロックを置けた時はとても嬉しいですね。
(やまだ)
考古学者となってエジプトで財宝を発掘し、博物館に売却してお金を稼ぐセットコレクションカードゲーム。
カードを1枚めくって手札に加え、
その後市場に出ているカードと交換したり、売却したりします。
同じ種類の財宝を集めた枚数によって売却時に得られるお金が違いますが、何枚まで集めて売却するかが鍵。
というのも、財宝カードの他に全員の手札が半分に吹っ飛ばされる砂嵐カードや、誰かの手札から1枚強奪出来る盗賊カードが結構な枚数入っていて、せっせと溜め込んだ高価な財宝カードを失う可能性があるのです。
売却したカードセットだけが得点となり被害を受けないので、ある程度揃ってきたらさっさと売却するのが賢いんだけど、最大まで揃えると価値も跳ね上がるので、どこまでいくか、どこで引くかのジレンマ。
あとは地図カードというものがあって、ピラミッドを調査出来るんですが、揃えた枚数が多いほど一気に何枚もの財宝カードを手札に加えるチャンス。
妨害カードの多さやカードのめくり運もあり、けっこう大味なバランスな気もしますが、ルールも簡単でサクッと遊べて勝つとやっぱり嬉しい、そんなゲーム。
妥協してそこそこの売却をするのも良いですが、考古学者の端くれならば一攫千金を目指したくなりますものねえ。
という事でファラオの財宝は渡さん!
(やまだ)